Column
『亜鉛』という名称を耳にすることはありませんか?
コロナやサプリメントで有名になりましたが、いま医療現場でも注目をされています。
亜鉛は5大栄養素の必須ミネラルの一つで、
・美容効果(美肌効果・ツヤ髪)
・免疫機能の向上
・鬱(うつ)状態の緩和
・生殖能力
・骨の成長
など多くの機能に関連します。
しかし、残念ながら必須の栄養素ですが体内では合成ができません。そこで手軽に摂取可能な亜鉛のサプリメントが近年人気となっています。
亜鉛が不足することによって肌の新陳代謝(ターンオーバー)が低下するため肌荒れをおこし、古い角質などが毛穴に詰まりニキビが発生します。さらにメラニン色素を正常に排出しにくくなるので、シミができやすくなります。
コロナ感染で亜鉛はウイルスの複製を阻害する働きをします。そのため、亜鉛が不足しているとコロナが重症化しやすいという研究結果が出ています。
またコロナ感染の味覚障害の原因のひとつに亜鉛不足が関連していると考えられています。
栄養不足と亜鉛欠乏は関連が強いため、病院では栄養状態の指標として亜鉛が用いられることがあります。栄養状態が悪いと治療効果の遅延や回復が遅くなるといった状態を招きます。
コロナ以外にも亜鉛欠乏は免疫力を低下させるためウイルス感染のリスクを高めます。
亜鉛が体内で不足すると、
・肌荒れ(ニキビ、シミ)
・味がわかりにくい
・口内炎
・気分がすぐれない、元気がない
・貧血症状、立ちくらみ
などの症状を引き起こします。もしも当てはまる症状があればそれは亜鉛が不足しているからかもしれません。
亜鉛は血液の検査で測定ができます。亜鉛不足について気になる方は、受診の際に一度医師に相談してみましょう。
文責:増輪
出典
Inga Wessels et al : Zinc deficiency as a possible risk factor for increased susceptibility and severe progression of Corona Virus Disease 19, British Journal of Nutrition (2022), 127, 214–232
コロナウイルス病19の感受性の増加と重篤な進行の可能性のある危険因子としての亜鉛欠乏症|ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション |ケンブリッジコア (cambridge.org)
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