Arrhythmia
「ちょっと動くと息切れするし、疲れやすくて、もう年だわ」と上杉謙信がぼやくと、「それ本当に年のせいか?弁膜症のせいかもよ。」と武田信玄が返す。この日本心臓財団のテレビコマーシャルを、見られたことがある方も多いのではないでしょうか。信玄が「高齢者に進言(しんげん)を」と言えば、謙信が「早めに検診(けんしん)を」と早期発見を促す、この永年のライバル同士のコミカルで絶妙なやり取りが、実に楽しく、思わず微笑んでしまいます。
日本人の高齢化が進行し、心不全パンデミック到来が懸念される昨今、心不全の原因となりうる全ての心疾患において、重症化する前に、より早期に発見し、より早くから対処していくことが求められています。この早期発見に、実に重要な役割を果たすのが、心エコー図検査です。
弁膜症でも、2020年に日本循環器学会のガイドラインが改訂され、高度弁膜症に対し、従来の適応に比べ、より早期の非薬物療法の導入が推奨されています。欧米人に準拠していた基準が、体格の小さい日本人に合わせて見直され、より正確な左室内径や左室駆出率の計測、並びに弁口面積や逆流量等の定量評価が、その判断に欠かせないものとなっています。特に近年、カテーテル手術も普及し、その適応に対しても高度な判断が必要となっております。当院の心不全弁膜症外来では、心エコー図専門医が、自らプローブを握り、学会ガイドラインに沿って、弁膜症の詳細かつ厳正な評価をしております。また、患者様の希望を加味して、適切な部門や施設への橋渡しを行っております。一方、ご高齢で、手術をもはや希望されない患者様でも、年1~2回の心エコーによるフォローを行い、心機能が悪化しないよう適切なアドバイスをさせていただいております。軽症~中等症の弁膜症を有している方でも、いつの間にか進行して治療が必要になっていることもありますので、患者様にはそれこそ定期検診(けんしん)をすすめる感覚で、当外来をご紹介いただければ幸いです。
“心不全弁膜症外来”とは銘打っていますが、心筋症や成人先天性心疾患など全ての心疾患から、謙信の様に「息切れがする、年のせい?」と何らかの胸部症状のある方はもちろんのこと、心雑音がある方、生活習慣病を有し心機能チエックが望ましい患者様まで、幅広く対応している敷居の低い外来です。どうぞお気軽にご利用下さい。ご自院の心エコーで「この影は何?」とちょっと疑問に思われる様な症例も大歓迎です。
心不全弁膜症外来。水曜午後
地域連携室(078-231-5925)よりご予約いただけますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
ほんだ ゆか
本多 由佳
非常勤医師 (心不全弁膜症外来担当 水曜日午後)
専門分野:循環器疾患 、心臓超音波
【学会専門医・認定医】
休診情報はありません。
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弁膜症外来 | 本多 由佳 (午後のみ) |
(令和7年4月1日現在)
※ 診療日程は、都合により変更になる場合があります。
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