Respiratory medicine
診療科からのお知らせ/コラム
呼吸器疾患は、喫煙がその大きな原因である肺癌、慢性肺気腫、慢性気管支炎や、環境要因が大きく関与する気管支喘息、慢性咳嗽など多岐にわたります。「咳」、「息切れ」、「胸痛」などの症状を伴うものから、胸部レントゲン写真の異常など症状の全く見られないもの、さらにはいびきや眠気が問題となる「睡眠時無呼吸症候群」など幅広い病状があります。我々は、こうした呼吸器の病いに対して、精力的に診療にあたっています。また、外科的治療が必要な場合は、呼吸器外科と連携して、迅速にかつ最善の治療を提供しています。 肺癌については、禁煙指導はもとより、気管支鏡検査、放射線科とタイアップした詳細なCT検査、CTガイド下肺生検を用い、肺癌の早期発見、早期診断を目標に、治療困難といわれる肺癌へ取り組んでいます。 肺気腫に対しても基本的治療である吸入療法の指導はもとより、在宅酸素療法を行うなど、在宅医療を含めたアフターケアの更なる充実を目指しています。近年増加している気管支喘息や慢性咳嗽、過敏性肺臓炎などの環境やストレスに由来する疾患に対しても、原因の評価や各個人の病態に応じたきめ細かい治療方針を決定し、環境整備の指導を含め長期的継続医療をおこなっています。 「睡眠時無呼吸症候群」についても当院耳鼻科咽喉科と連携しながら診断から治療まで診療に取り組んでいます。 呼吸器疾患には完全に治癒する疾患は少ないですが、患者さんの生活の質の向上を目指し、個々の患者さんに満足が得られることを目標にしています。
呼吸器内科副部長
川端 宏樹
肺炎は老若男女問わず多い疾患です。重症化しやすく死因の第3位となっています。
また、抗菌薬に反応しない(細菌による感染症ではない)肺炎もあり、場合によっては気管支鏡で肺の細胞を採取し診断します。
気管支鏡検査も以前よりお身体への負担が少ない検査となっています。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はCOVID-19診療チームと協力して診療に当たっております。
肺癌は診断することが重要です。診断するためには肺組織の採取が必要で、当科では気管支鏡検査にて診断を行います。
気管支鏡検査が難しいと判断した場合にはCTを見ながらの組織採取(CTガイド下生検)や手術による組織採取(外科的肺生検)を当院の放射線科や呼吸器外科に依頼し、早期に診断をつけるよう取り組んでいます。
治療は手術や放射線化学療法が困難な患者様に化学療法を行います。肺癌の化学療法は多岐に渡っており、患者さんの状態に合わせた治療を行います。
吸入薬の充実によりコントロール良好な患者さんが多いですが、難治性喘息の患者さんもおられます。
吸入薬の選択から注射製剤まで幅広い治療方針を提案させて頂きます。
平成初期と比べ喫煙率は男女ともに低下してきていますが、依然としてCOPDで苦しむ患者さんは多くいらっしゃいます。吸入治療や、重症の場合は在宅酸素療法の導入から管理まで行います。
高血圧など生活習慣病と関連があり、また居眠り運転で交通事故を起こすなど労働災害にも関連する疾患です。睡眠時無呼吸症候群の検査として自宅でできる簡易検査、1泊2日の入院で行う精密検査、いずれも対応できます。治療は持続的陽圧呼吸療法(CPAP)で導入から管理まで行っています。
地域の診療所や病院、救急外来と協力し、早急に診察、必要時は胸腔ドレナージを行います。手術適応の患者さんは速やかに呼吸器外科に紹介させていただきます。
入院患者さんは、年々増加しています。
肺癌症例(検査入院、抗がん剤治療など)、睡眠時無呼吸症候群の検査入院も増えていますが、COPDの急性増悪、間質性肺炎の悪化による呼吸不全に対してもNPPVやハイフローネーザルなど幅広い酸素療法を行っています。
肺炎に対しては、誤嚥のリスクが予測される場合に嚥下内視鏡による評価も行っているのが大きな特徴です。科内の連携だけでなく、チーム医療で誤嚥性肺炎による取り組みを行っています。
気管支鏡は呼吸器外科と協力しながら検査しています。肺癌またはその疑い、間質性肺炎や薬剤性肺障害などに対して、気管支鏡下での検体採取が主な検査内容です。
抗菌剤に不応性の感染症の場合には、肺結核や非結核性抗酸菌症などの除外目的に気管支鏡を行っています。他院とも協力して当院で検査のみ行う場合もあります。
気管支鏡の件数も、年々増加しています。
肺がん、胸膜悪性中皮腫に対して抗がん剤治療を行っています。
初回導入は入院にて行いますが、その後は副作用に程度や希望に応じて、外来化学療法を行っています。
抗がん剤治療は、薬剤選択も重要ですが、適切な組織診断や再生検も重要と考えています。気管支鏡やCTガイド下生検など、他科と協力しながら確実な病理検査を心掛けています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は1泊入院で検査を行っています。
他院からの紹介例では、原則午後入院で検査翌朝に退院できるように配慮しています。仕事が休みにくい方にも好評です。
かわばた ひろき
川端 宏樹
呼吸器内科副部長
専門分野:呼吸器内科
【学会専門医・認定医】
・日本内科学会認定内科医/総合内科専門医
・日本呼吸器学会呼吸器専門医/指導医
・日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医/指導医
・日本アレルギー学会専門医
・日本結核・非結核性抗酸菌症学会認定医
・肺がんCT検診認定医師
・産業医
【メッセージ】
2023年4月より神戸労災病院呼吸器内科で勤務している川端と申します。これまでは大学病院等で喘息/COPDを中心に呼吸内科全般の診療を行ってきましたが、御縁がありこの度神戸の地に赴任して参りました。呼吸器疾患全般に対応可能で、難治性喘息の治療を得意としております。お気軽にご相談ください。
いしい たつや
石井 達也
専門分野:呼吸器内科
【学会専門医・認定医】
・日本内科学会認定医
・日本呼吸器学会呼吸器専門医
・日本結核 非結核性抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症
認定医
・ICD制度協議会認定 Infection Control Doctor
・全国労災病院臨床研修指導医講習会 修了
つるた あきまさ
鶴田 瑛大
専門分野:呼吸器内科
【学会専門医・認定医】
・内科専攻医
こまつ まさや
小松 正弥
専門分野:呼吸器内科
【学会専門医・認定医】
・内科専攻医
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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呼吸器内科 | 榎本 隆則 | 石井 達也 | 川端 宏樹 | 榎本 隆則 | 川端 宏樹 |
(令和6年4月1日現在)
※気胸、膿胸、気道異物は緊急疾患のため、曜日に関わらず診察します。
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