病院長あいさつ

Hospital director greeting

本院は、高度成長期の昭和39年に労働災害への対応を主な目的として開設され、近年においては、「良質で心のこもった医療を働く人と地域のために」の理念を掲げ、地域の急性期病院として患者さんの診療、治療にあたってきました。今年で設立60周年を迎えますが、さらに診療の力を強化して、求められる医療を推進していきたいと願っています。

社会の高齢化はますます進み、神戸市でも、総人口は減少していますが、高齢者数は増加の傾向にあります。さらに求められる高齢者の医療に焦点を当て、病院の総力を集中して診療を行っていくことを大きな目標としています。

高齢者の診療では、その基礎疾患、原因疾患が絡まって、一つの疾患では病状を掴みきれないことがあります。本院では、総合内科を中心に、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、呼吸器内科、糖尿病内科の専門医を配置しており、その協力体制のもとで、患者さんの治療を包括的に進めていきます。外科系疾患で入院した患者さんにもこの協力体制の元で、全身状態を評価し、管理しながら外科的治療を進めることを基本姿勢としておこなっています。

また、予防医療も高齢者医療の大きな柱です。現在の活動状況、生活状況をしっかり把握して、さらに今後の推移を予想しながら、予期される病態に対して診察を円滑に進めることが大切なミッションと考えています。本院では、健診や人間ドックの実施、評価から、さらに一歩先に進めて、フレイル外来、個別栄養指導、骨粗鬆外来などで、高齢者の身体状況をしっかり把握して、今後の診察に役立てていくことを目標としています。

救急診療の体制も高齢者医療の欠かすことができない条件です。本院は神戸市第二次救急病院協議会に参加し、内科、整形外科、消化器内科、循環器内科の輪番体制を整えて、24時間365日の救急病院として、救急診療、緊急入院の体制をとっています。さらに、在宅支援も積極的に進め、在宅後方支援病院の認定をうけ、在宅診療医を支援するとともに、介護を行う家族の支援も行っています。老人保険施設、高齢者住居施設など近隣の居住施設(36施設)と連携関係を構築し、本院へのスムーズな受診、救急外来受診、転院搬送を積極的に受け入れています。

医学の領域はさらに深く、細分化してきています。各診療科の領域においても、その治療方針は多岐に渡り、患者さんの状況や希望、家族の望みなどを治療方針に活かしていくことが求められます。「良質で心のこもった医療」とは、高い医療レベルを確保して、さらに、患者さんとご家族の希望に寄り添う治療を進めていくことを表現しています。

新型コロナウイルス感染症の流行は医療の現場にも多くの影響を及ぼしてきました。今後も社会の変化や地域の求めに応じて、医療現場ではさらなる変革が必要となってきます。私たちはその求めに応じて、本院をより良い病院へと成長させていくことに全力で取り組んでまいります。是非とも皆様方の御意見を病院にお届けください。

これからも良質で心のこもった医療を提供できますように、体制を整え、職員一丸となって頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

2024年7月1日

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